マグナ50生産終了
マグナ50は2007年8月で生産終了となりました。2007年9月1日から強化された二輪車の排出ガス規制をクリアできなかったからです。
マグナ フィフティ
この新しい排ガス規制の適用開始は段階的に行われ、50ccと250ccクラスの新型車に対する規制は2006年10月から始まりました。
そして、50ccと250ccクラスの継続生産車と輸入車に対する規制が2007年9月から始まり、マグナ50は継続生産車に該当します。
その後、125ccクラスや250cc以上のバイクにも順次適用が開始されます。
ホンダの50cc原付で、規制をクリアできない車種は、マグナ50以外にもありました。その中で、生産が終了する車種と、規制をクリアできるように改良して生産が継続される車種とに運命が分かれました。
ホンダの原付バイクで歴史の長いカブシリーズや、エイプ・ズーマーといった人気車種は継続です。
1998年に二輪車に初めて排ガス規制が設けられたとき、マグナ50はブローバイガス還元装置を新たに採用して、キャブレターのセッティングも変更して規制に対応しました。しかし2007年は見捨てられたようです。
250ccのVツインマグナも同時期に生産終了です。また新たなマグナシリーズが登場することを期待しています。
2007年の排気ガス規制
マグナ50が適合している排ガス規制は、1998年の平成10年規制と呼ばれるものですが、1995年に登場した初期型はこの排ガス規制には適合していません。
車両型式の先頭に、適合している排ガス規制の識別記号が付けられています。初期型マグナ50の車両型式はA-AC13です。1999年以降の車両型式はBA-AC13で、BAは4サイクル二輪車の平成10年規制を意味します。
2007年から強化された主な規制内容は、バイクから排出される一酸化炭素COを2.0
g/km以下、炭化水素HCを0.50 g/km以下、窒素酸化物Noxを0.15
g/km以下に抑えなさいというものです。
新旧の規制値を比べると、大幅な削減が求められていることが分かります。
この規制をクリアするためには、キャブレターを電子制御式燃料噴射装置に換えるなどの対策が必要なようです。この装置はバイクメーカーによって呼び名が少し違いますが、ホンダの場合はPGM-FI
と呼ばれる装置です。
排ガス規制値の新旧比較
|
マグナ50が適合
平成10年規制値 |
2007年
平成19年規制値 |
削減率 |
一酸化炭素CO(g/km) |
13.0 |
2.0 |
85%減 |
炭化水素HC(g/km) |
2.00 |
0.50 |
75%減 |
窒素酸化物NOx(g/km) |
0.30 |
0.15 |
50%減 |
2007年の排気ガス規制に関して、国土交通省の報道発表資料に次のように記されていました。
これより我が国の二輪車の排出ガス規制は世界で最も厳しいレベルのものとなります。
この規制が実施され、対象となる二輪車が全て新規制適合車に代替した場合、二輪車からのHC総排出量は、平成12年度と比較し、約95%(約6.0万トン→約0.3万トン)削減されることになります。
地球環境の悪化を抑えるために、排気量の小さな原付でさえも排気ガスの量を減らさないといけないようで、新しく発売されるのは環境に優しいバイク。マグナ50など古い基準で走りつづけるバイクは少し肩身が狭い。