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マグナ50に付いている速度リミッター

マグナ50には、速度リミッターが付いています。速度リミッターには、機械的なものや電気的なものがあります。

ホンダ マグナ50
ホンダ マグナ50

マグナ50の場合は電気的で、CDI によってギアが4速のときエンジン回転数にリミッターが効きます。走り出して3速まで快調?に加速して、さらにスピードアップしようとして4速に入れると、エンジンに元気が無くなります。

CDI に入力されている4速を検出する信号線を抜くと、リミッターが効かなくなります。CDI はプラグの点火タイミングを決める装置で、付いている場所はシートを外すと見えます。

純正CDI のリミッターカットに関してこちらのサイトが参考になると思います。

ノーマル状態のマグナ50では、リミッタ-を解除しても下記のゼロハンのように80km/hや90km/hは出ません。これは良い意味で、マグナ50には機械的なリミッタ-も付いていると言えます。

と言うか、ノーマルのスピードメーターだと目盛りが60km/hまでしかないので、実速度は分かりません。しかし、これで4速に入れたときの違和感は無くなります。

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50cc原付の速度制限

50cc原付の最高速度は、60km/hに抑えられています。この速度制限が設けられるようになったのはマグナ50が登場する10年程前、1983年からのようです。

速度制限が設けられる前の原付は、特にゼロハンスポーツというカテゴリのロードバイクで、メーカーが販売合戦を展開。その結果、原付には最高出力7.2psという自主規制がありましたが、エンジンの水冷化など性能は進化していたようです。

当時のバイク雑誌には、ゼロハンスポーツの性能を競う企画が多く載っていたようですが、その一つに下のようなデータが載っていました。これは60km/h規制が始まる直前(1983年3月号)、消えていくゼロハンを惜しむファイナルテストだったようです。

ゼロハンスポーツ性能テスト
名称 最高速度 0~200加速 0~400加速
スズキ RG50Γ 91.10km/h 12.06秒 20.10秒
ヤマハ RZ50 95.11km/h 12.06秒 20.00秒
ホンダ MBX50 92.00km/h 12.41秒 20.60秒
カワサキ AR50 86.70km/h 12.51秒 20.95秒

ゼロハン
ゼロハン

登場して間もなかったRG50Γ は回転制御リミッタ-を外した状態で、最速と言われたRZ50はリミッタ-付きモデルでテストしたようです。このリミッタ-は60km/h制限のリミッタ-とは違う、メーカーが独自で付けたものです。AR50は唯一の空冷エンジン、MBX50はこの中で最も大きな車体です。

細かな数値は条件によって変わると思いますが、いずれもノーマルで90キロ近く出るスーパーゼロハンでした。

このようにゼロハンスポーツがどんどん進化していたのと同時期に、ファミリーバイクも人気を集めていました。そのため原付ユーザーは増加し、結果として原付の事故も増加。その原付の事故を減らす為の対策として、当時の運輸省から「原付の最高速度を60km/h以下に抑えるように」との通達が出たようです。

スピードが出るから事故が起こるというものではない、との反発もあったようです。元々60km/hもスピードが出なかったファミリーバイクに対して、この速度制限は事故を減らす効果のない対策でした。

当時はヘルメットの着用義務も無く、原付免許はペーパーテストだけで実技なし。事故を減らすためにはこれらの法律を改正するべきではないかという意見もあったようですが、原付のヘルメット着用義務化はもう少し後の1986年からです。

結局、1983年9月以降に販売された原付の最高速度は60km/hに抑えられました。

その影響をまともに受けたゼロハンスポーツは、パワーを絞ったりリミッタ-を付けたりと、まるで牙を抜かれた野獣のようになって再登場しました。